映画レビュー(15): Dragon Slayer (81′)
元来、Dragonslay(竜殺し)とは、最も危険で最も賞賛される英雄的行為であり、そこでのDragonは、世に存在する最も邪悪で力強い存在であった。
しかし、今から20年程前に押し寄せた、ドラクエに代表されるRPGゲームブームの到来とともに、Dragonは数ある他のモンスターとともに相対化され、それ自身としての大きな力を失ってしまった。
つまり、弱くなったのだ。(平気で、ドラゴンが3匹あらわれた!とか、ドラゴンよりボストロールの方が強いなどという状況は、つまりよろしくないのだ。)
81年作のこの映画は、そんな、まだDragonが強く、Dragonslayerが英雄であったbasicsを思い出させてくれる、そんな映画である。
だが、内容は、はっきり言って、ツマラナイ。
このスターウォーズのグレードを下げてファンタジーに焼きまわしたような、ストーリーは今見ると滑稽ですらある。
しかしそこは当時のILMが力を終結させたクオリティーである。Young Sharlock Holmsの項でも紹介したDenise Murrenをはじめ、Dragon Supervisor(何の仕事なのか不明だが)としてPhil Tippetなど、そうそうたる顔ぶれである。
僕の好きな、二本足二本翼のドラゴン(足二本、翼二本、さらに腕が二本のドラゴンのスタイルも多いが、これは解剖学的にはおかしいのである。こう もりも鳥も、腕が翼に進化したのだ。)が狭い洞窟内、体を屈め、翼を折りたたみ、窮屈そうに追いかけてくるシーンは、とんでもなくリアルでかっこいい。
まぁ、はっきり言って、全くお勧めはしないが、物好きな人は見てみてはいかがだろうか。
星1.5個(5個中)